青春の値段 さよならハルキ〜ペットサウンズの憂鬱〜

急に思い立ってオデの青春を売りにいってきました。
デビュー作を高校生のときに読んで圧倒的な衝撃を受けてからずっと、あらゆる作品をオンタイムで読み続けてきた村上春樹。
彼の本はまさにオデの青春そのものでした。
しかし、先の見えてきた人生にはもう、胸躍る物語も女の子をクスッとさせるような珠玉の言葉も必要ありません。
若い頃は「きっと死ぬまで繰り返し彼の本を読むんだろうなぁ」と思っていたけど、いまだに繰り返し読んだ本はほんの数冊どまり。
以前のような体力と視力を失った体にはもう、1冊の本を読了するエネルギーなんて残っていないのだとうすうす感づいていました。
増え続けるレコードの居場所と引き換えに思い切ってハルキ本を一気に処分することを思い立って・・・。
と、ほんとは昨日決行したのだけれど、どうしても小説と旅本と水丸さんとの共作本と数冊の翻訳本を処分することができませんでした。
でも今朝起きて「やっぱり全部処分しよう!」と思い立って残りを全部ブックオフへ連行。
スッキリしたものの、まるでオデの青春に値段をつけられたような・・・
まぁオデの青春なんてこんな値段だよなぁ、とふてくされながら隣のハードオフで中古レコードを物色。
そこにはハルキさんが大好きなビーチボーイズのアルバムが何枚も。しかもその中には、このあたりじゃなかなか出て来ないブツもあって・・・
オデの青春はそのままビーチボーイズのレコードに化けてしまいました。

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しかし、実はビーチボーイズの能天気なロックンロールは大好きなんだけど、「ペットサウンズ」はどうしても苦手で、なぜ世間ではあんなに評価が高いんだろう?と思っていました。
「ペットサウンズ=ブライアンウイルソン」の音楽性を絶賛するハルキさんのその部分だけはどうしてもオデには理解できないところでした。
これも何かの縁なので、まだ数ページしか読んでいなかったがために唯一手元に残したハルキ本を参考に、「ペットサウンズ」の秘密を解き明かしていくことが、村上春樹から課せられた宿題だと思って残りの人生日々精進してみます。

追悼プリンス

プリンスが逝ってしまってから、あっという間にひと月。
あらためてプリンスのアルバムをいろいろ聴いて過ごしていましたが、意外にも今聴いて一番好きになったのは「Emancipation」でした。

当時は3枚組のパワーと万華鏡のようにぐるぐる入れ替わる音の洪水に食傷気味だったのに、今聴くととってもゴキゲンでカラフル、定番ソウルナンバーのカバーもあったりして、なんだかとっても健康的。
「青空の下で聴けるプリンス」といった風情で今の季節にピッタリ。このCDはブックオフに売らないでおいて良かった・・・。
実は何枚かどうしても聴けなくて売り飛ばしたCDも数枚あったのだけど、iPodに残っていたものを今聴くとイイんですねぇ・・・当時のオデは聴く耳がなかったんだねぇ。

このひと月のあいだ、いろんな人が追悼のカバーを披露していますが、特に沁みたのはこの2人。
バラカンさんもラジオで言ってたけど、他のアーティストがカバーしたものを聴いて、あらためてその曲の素晴らしさに気づくことがよくあるもので(その最たるものがボブディランですが)、この2曲のカバーにもやられちまいました。

元ザ・ヴァーヴのリチャード・アシュクロフトの「Little Red Corvette」。

それからディアンジェロの「Sometimes It Snows in April」。
どちらも美しく静かに沁みます。

「おかえり」… 果たして山下達郎はあの曲を歌うのか?

きのうは山下達郎のライブに参戦。
前回のマニアックツアーから約1年半ぶり。
今回も無事チケットがとれて、ツアーを再開してから新潟県民会館で皆勤賞。
こうなったらどちらかがくたばるまでずっと参戦したいと思います、きっとオデのほうが先にくだばってしまいそうですが・・・。

今回は、16時オープンの「みやこや東堀店」で燃料補給。
軽く熱燗あおって体を温めて・・・のつもりが妻と2人だったためかいつもの飲んべえコースに。
想定外のおあいそにビビリながらも会場へ向かいますが、もの凄い寒さにすっかり体は冷えきってしまい、3時間半におよぶライブをはたして中座せず持ちこたえることができるか不安になってしまいました。

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席は真ん中のブロックの10列目。
ほどよい席でのんびり楽しむことができそう。
そして暗転、オープニングは達っつあんのギターカッティングがカッコイイあの曲が!っていってもそんな曲たくさんありますからね・・・ツアー継続中のため以下自粛。
今回はデビュー40周年でもあり、前回がマニアックな選曲過ぎたこともあって、大雑把に言って妻でもほとんど知ってる達郎メジャー曲のオンパレード、さらにシュガーベイブの曲もたくさんやってくれてのんびり安心して楽しめる内容でした。というのも前回はちょっと緊張して聞き耳をたてていたような感じだったから・・・。
そうそう、今回はここ2公演なかった佐橋くんと達っつあんの「どちらかがギブアップするまで永遠に続きそうなギターバトル」が復活したことがオデには一番ウレシイことでした。しかもシュガーベイブのあの曲で・・・以下自粛。

途中ある曲の話題で達っつあんと前の席のあるお客さんとのやりとりが長引いて・・・「ケチ!」「うるせい!ぜったいやるもんか!」の応酬が楽しく、必ず新潟県民会館をはずさない達っつあんの新潟贔屓の一面をかいま見たような気がします。
それで今話題のあの曲をやったのか・・・それはナイショです。

2時間半を経過する頃、年配者大多数の観客がようやく重い腰をあげてオールスタンディング。そこでまたしてもクラッカーを忘れていたことに気がつきました。なんでいつも忘れてしまうんだろう、数日前までは「今年こそ!」と思っていたのに・・・。

かくして前回よりもさらに長い(ような)ナイアガラメドレーでオーバーヒート。
そしていよいよ怒濤のアンコールが45分続きピッタリ3時間半、時計の針がちょうど10時をさす頃におひらきとなりました。
気がつけば、途中でトイレに駆け込むこともなく無事全曲を堪能することができてほんと良かった。
しかし凄いバンドです、特に右半分の60代トリオはますますノリに乗ってるという感じ、こんなパフォーマンスをこれから先いつまでも見続けていけることを祈っています。

ライブ終了後は、いつも通りに夜の街へ・・・しかしライブ前の焼き鳥が腹にもたれてほとんど食が進まず、ビールでさっと喉を潤す程度で早々に撤収。
ライブ前の燃料補給はほどほどにしないとあかんねぇ・・・。
しっかし帰り道が寒かったー!

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